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備忘録・自作テーブルソー・自作塗装ブース・DIY等

11式自作塗装ブース 改

2011/08/15 11:21  
11式自作塗装ブースを完成させましたが、やはり想定を下回る性能が我慢ならなかったのでアップグレードすることにしました。

 自分で言うのもなんですが、改造によって「ええいっ、11式自作塗装ブースの改良型は化け物か!?」って言うくらい圧倒的な能力向上を果たしました。実に800%以上のパワーアップで赤木リツコ博士もビックリ。


11式自作塗装ブース 改

あり得ないわ!
あり得ないわ!

【11式自作塗装ブースの反省点】
・メインDCファンの性能の低さ
・サイドファンの非有効性
・アルミダクト接続による吹き返しの発生

 実際に稼働させてみて、上記の欠点があぶり出されたのでこれらを解決します。
●メインDCファンの性能の低さ
 強力なDCファンへの換装で問題を解決。



 デフォルトの80mm角DCファン(右)と比べ、3倍以上の性能を持った92mm角ファン(左)に取り替えました。本来なら1個4,000円ほどするファンですが、幸いにも安価で入手することができました。今回の改造では4基導入。見るからにパワフルそうですが、実際に強力!

メーカーSANYO DENKIミネベア
型番9G0924G1D033110KL-09W-B49
定格電圧24V38V
定格電流0.55A0.10A
定格入力13.2W3.8W
回転数5,000rpm3,000rpm
最大風量3.1m3/min(110CFM)1m3/min(35.5CFM)
最大静圧150Pa45Pa
音圧レベル50dB32dB
質量180g95g
寸法92×92×3880×80×25
価格0


 80mmから92mm角のファンに変更したのでダクトも75mmから100mmの物に替えました。


 新しく作製したファンユニットの上蓋(左)。左が100mm径。右が75mm径のクーラーキャップ。安易に接着せず、メンテナンス性を考慮したネジ止め構造にしていたので改造も容易でした。


回路図。回路は全面的に見直しました。DCファンは24VのACアダプターを使って並列接続。LED照明は19球を直列接続したものを2つにして輝度をアップ。負荷が掛かるパイロットランプは撤廃。
※この回路はちょっとおかしいので参考にしないでください。(苦笑 


内部構造。レイアウトを少し変えてスッキリさせました。下の丸いパーツはiBookに付属していたACアダプター(24V 1.875A)。


エキゾーストファンを設置した完成状態。

・誘導板の増設
 後日、さらなる高効率を目指してファンユニット内に誘導板を設置することにしました。というのも、吸い込みファンが排出する風がユニット背面パネルに直角にブチ当たる状態になっていて、このままだとユニット内で吹き返しが発生し吸気力の低下を招いてしまっているのではないかと思ったからです。

1.9mm厚のプラバンを約40°の角度で取り付け。スムーズな風の流れを作るとともに、下のACアダプターが塗装ミストで汚れることを防ぐ。

 検証の結果、排気効率が30%以上向上しました。予想以上の効果です!

 吸い込み用メインファン2基と排気用エキゾーストファン1基を換装改造したファンユニット。


前面のパネルはそのまま流用したので80mmサイズのネジ穴が残っている。ま、セッティングしたら前面パネルなんて見えなくなるんだけど。
ファン穴は75mmから木工用ヤスリでガリガリ削り90mmに拡張。削った所はエアブラシで黒く塗装しました。

●サイドファンの非有効性
 アイディアとしては悪くなかったと思うのですが。風が強すぎてメインファンで吸い尽くすことができず、吹き返しが発生して実用性に難が有ることが判明しました。よってサイドファンは撤去。この工作が一番面倒だったんだけどなぁ…。


撤去したサイドファン2基。


●アルミダクト接続による吹き返しの発生
 アルミダクトをファンユニットに接続すると折り曲げ部分で吹き返しが発生し、吸気力が(感覚的に)3割低下することが判明。この問題は絶対に解決すべき重要ポイントと思ったので根本的なシステム変更をすることにしました。

 自作塗装ブースではファンを窓枠側に設置する「吸い込み型」と塗装ブース本体に設置する「押し出し型」の二種類に大別できますが、11式自作塗装ブースは「押し出し型」に分類されます。「押し出し型」の弱点は吹き返しの発生であり、その問題が直撃した格好ですね。
※今回、静圧の高いDCファンに換装したのでこの吹き返し問題はあまり深刻な懸案事項ではなくなりました。

 この長年の吹き返し問題をいかに解決するか。答えは簡単です。「吸い込み型」要素を付加すればいいのです!


吸い込み用ファンの設置で空気の流れがスムーズになる。

 ということで、排気ダクトユニットへの吸い込み用ファンを設置! クルマで言うと、FR車を4WD車にするようなものですね。取り付けるファンは小型の92mm角DCファンなので一般換気扇とは比較にならないほどコンパクトに設置することが可能です。


内側。中に92mm角DCファンを内蔵。


外側。

 ガラリを撤去し、内側にDCファンを設置しました。フードを取り付ければ雨の日でも使えるようになるかもしれませんが、とりあえず雨天不使用ってことで。電源はサイドファンを撤去して余ったコネクタから供給を受けます。


全体像。



メンテナンス性を考慮した分解可能な構造。

 検証の結果、この排気ダクトユニットファンの設置で排気効率が約20%向上したことを確認。


■塗装
 塗装面積は広くないのでスプレー缶はもったいないと思い、ダイソーで売っているペンキをエアーブラシで吹き付けることにしました。


購入後に気づきましたが、コイツ韓国製でした。orz 次買うとしたら4倍高くても日本製を選ぶ。

 塗料はそのままだと粘度が高いのでプラカラーの薄め液を混ぜて水っぽくし、フラットベースも混ぜてつや消しにします。塗装し終えたらデカールを貼り付け、その後にプラカラーのクリアを吹き付け塗装完了。




★改造完了!

 専用設計ではなくなってしまったので見かけがちょっと悪くなりましたが、基本性能の格段の向上は見たくれの問題を吹き飛ばすものがあります。おそらく、市販品最強と思われるタミヤの「スプレーワークペインティングブースII(ツインファン)」と比べても吸気力は5倍以上あるでしょう。(まぁ、タミヤのモノはフィルター性能を重視した作りなので、その分吸気力が犠牲になっているんですけどね。)

 量産型とは違うのだよ、量産型とは!


設置した状態。

 見かけ以外にも問題が…。DCファンを25mm厚から38mm厚のものに替えたため、塗装ユニットに収まらなくなってしまいました…。orz 11式自作塗装ブースのアドバンテージだったコンパクト設計が逆に仇となってしまった。

(この状況に対する改良計画責任者のコメント…「無様ね」。)

 もっとも、ファンユニットの代わりにアルミダクトを収納させることにしたのでまったくの無駄にならなかったのはちょっとした救い。

★吸気力テスト
 普通の二枚重ねのティッシュを2ツ折にして吸い付けてみました。12枚で箱が空になってしまったので動画ではここまでですが、後日再度テストしてみたところ40枚吸い付きました。(40枚でテストをやめたので実際はこれ以上の能力) 2ツ折をしていないティッシュなら100枚くらい吸い付かせる実力はあるでしょう。パワーアップに伴い動作音がうるさくなったのは仕方ありませんね。ま、コンプレッサーの音の方が格段にデカいのでそれに比べたら良くも悪くも塗装ブースの音はあまり気にならない。(苦笑


この高い吸気能力ならペーパーフィルターを2枚重ねにしても余裕でいけますね。

 シロッコファンに比べ、DCファンはミストで故障する確率が高いかもしれませんが、自分の場合は年数回しか使わないので余裕で10年は戦える。

●重量
・ファンユニット:1,905g(改造前:1,533g)
・塗装ユニット:1,476g(改造前:1,619g)
・ダクトユニット:1,107g(改造前:917g)
・アルミダクト:150g

■経費
・92mm角DCファン
・クーラーキャップ(100mm)398×2796
・アルミダクト(100mm)672672
・MDFボード(600×300×5.5)138138
・基板(72×48)6060
・RCAジャック4040
・抵抗器(1KΩ)100100
・ネジ(4×60/6本)100×2200
・ネジ(4×100)35×3105
・木ネジ(4×70/4本)8080
・ペンキ(100ml)105105

 
11式自作塗装ブースが想定したパワーを発揮できないと分かった時に「もっとパワーのある後継機を製作しようかな」と思いましたが、今回の改造で想定以上の性能を持たせることができたので後継機開発計画は白紙となりました。もっとも、実現していないアイディアがまだまだあるので後継機を作ったらもっといいのが出来るでしょうけどね。実のところは作りたくてウズウズしてます。(塗装ブースを作らないで模型を作れ!(苦笑 )
 それと、なんちゃって製品名は「SPRAY-WORK PAINTING BOOTH TYPE11 QUINTUPLE FAN」でしたが、ファンの数が5基から4基に減ってしまったので「QUINTUPLE FAN」ではなく「QUADRUPLE FAN」になりました。

後継機
→12式自作塗装ブース(吸い出し型)

→13式自作塗装ブース(押し出し型)

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コメント

◎コメントは内容確認後に掲載となります。なお、責任持てないので技術的質問には原則応じていません。

2. 無題

はじめまして。
自作塗装ブースで検索してこちらにたどり着きました。

回路図で質問があるのですが、
200Vコンデンサーとヒューズは、どういった意図で組み込まれているのでしょうか?

換気扇などの値段を考えたところ、araさまのようにPC用ファンを使おうかと思うのですが、
単純に、ファンを4つだけ組み込む場合(照明ナシ)、
アダプターとスイッチを接続するだけでは何か問題が生じますか?

ずぶの素人なもので、初歩的な質問ですが、
お時間のあるときに教えていただけたら幸いです。
宜しくお願いします。

1. 無題

 ヒューズは落雷による万一の過電流対策で取り付けました。電解コンデンサーは電圧を平滑にするためです。コンセントの交流電源は電圧が一定ではないためそのままだとLEDがチラつくので取り付けたワケです。ACアダプターを使えば電解コンデンサは必要ありません。

 PC用ファンですが、ブログにも記したようにある程度のパワーのあるものでないと期待した性能が発揮できないのでご注意ください。

4. 無題

いきなりの質問に、丁寧なお返事、ありがとうございます。
PC用のファンは、araさまの使用されたものをマネさせていただきたいと考えています。
秋葉原の秋月電子で購入可能なのでしょうか?

それにしても、11式・12式塗装ブースはすばらしいですね。
機能はもちろん、デザインやコンセプトが練られていますし、
細やかなところまで丁寧に作られているのが「大人のホビー」だなぁ、と感じます。
私もお金があれば発注したいくらいなのですが、いかんせん今は厳しいもので……
いつか、13式?をお願いできるよう、がんばって働きます(笑)。

また参考にさせていただくべく、ブログに来ます。

3. 無題

お褒めいただき恐縮です。模型よりこういうのを作る方が楽しかったり。(苦笑

ファンですが、秋月電子で扱っているものは残念ながらパワー不足で
とても塗装ブースに使える代物ではありません。
最低でも80mm角以上で最大風量100CFM、最大静圧60Pa以上のものが
必要だと思います。目安としたら定格入力6W以上のものですね。

※定格入力は定格電圧×定格電流です。
定格電圧12Vの場合、定格電流0.5A以上ということになります。

PCショップではここまで強力なファンは普通扱っていないので、
ネットオークションや秋葉原で掘り出し物を見つけるのがよいと思います。

13式は今のところないですね。(苦笑 自分的に12式が完成形だと思っているので
後継機があったとしても12式改になるでしょう。(笑

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