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14インチ小径折り畳み自転車「DOVE eva」爆誕!

2023/11/19 11:36  
14インチ小径折り畳み自転車「DOVE eva」計画 完了です!

DAHON Dove eva(ダホン ダヴ エヴァ)とは

 以前からクルマに難なく積め込める小さな自転車が欲しかったので折り畳み式の小径車を考えていた。たまたまネットオークションで見つけて比較的安価で落札したのが「FIAT AL-FDB140」。

 「FIAT AL-FDB140」は折り畳み自転車メーカーで有名なDAHONのOEM。買ってはみたものの、デフォルト仕様では面白みも高級感も無いのでカスタムして質感を上げることにしたのだが、この類の自転車にカネを掛けるのもバカバカしいのでコンセプトは「カネを掛けずに質感アップ」とし、カスタムした「FIAT AL-FDB140」は改名して「DAHON Dove eva」と称することにした次第。

DAHON Dove eva
DAHON Dove eva


INDEX

構想
塗装
運搬ハンドル付きシートクランプ
換装パーツ
デザイン・ギャラリー
仕様比較
実走インプレッション
総括

 デフォルト状態のFIAT AL-FDB140。質量は実測8.96kg(ペダル、スタンド等込み)。
 写真写りはそれなりに見えるけど、実車はとても安っぽい感じ。このチープさを払拭するするため質感アップのカスタムを施す。

FIAT AL-FDB140
FIAT AL-FDB140

構想



 まず、イメージをパソコン上で作ってみた。

イメージデザイン


 このイメージデザインを見てピンときた方もいるでしょう。そう、2000年にコルナゴがフェラーリとコラボして作った「COLNAGO for Ferrari」第一弾「CF1」をオマージュしたものです。

COLNAGO for Ferrari CF1
COLNAGO for Ferrari「CF1」


 コイツを見た瞬間"ビビビッ"と琴線に響きまくった。超カッチョエぇ!! 世界限定500台、販売価格85万円。
 以降も「COLNAGO for Ferrari」の後継モデルはいくつも出たけど、酷いデザインばかり…。未だにこれを超えるフレームデザインは無い。やはりデザインはシンプル・イズ・ベスト。

 あと、何か面白くしたいと思ったので組織設定としてしっかりしてる「ネルフ」の制式自転車って設定でデザインしてみた。
 ネルフと言ったら「まるで血の赤だな」とのセリフが出てくる赤なので具合が良い。

NERV ロゴ
NERV ロゴ


 ちなみに「ネルフ」とはアニメ「エヴァンゲリオン」に出てくる国連直属の特務機関・準軍事組織のこと。組織設定が気に入ってる。痛くない痛車を志向(笑。「DAHON Dove eva」の"eva"はEVANGELIONのEVA。

塗装



 配色はイメージデザインの通り黒/赤。カネを掛けないことがコンセプトなので自家塗装。理想は粉体塗装だけどね。

 黒/赤は安価なラッカースブレー。赤はアサヒペンのクリエイティブカラースプレー 62ファインレッド。ネジ穴等には丸めたテッシュを詰めておく。

●自作デカール

 基本塗装が済んだらデカールの貼付。デカールはハイキューパーツの「クリアデカール」とアルプス電気のMD-5500で作成。ハイキューパーツのデカールはシルバリングが出にくくて秀逸。


デカールを貼ると一気に引き締まりますね。


 デカールを貼ったらクリアを吹き付けて1ヶ月ほど自然乾燥させ、その後はデカールの研ぎ出し作業。デカールの表面塗装を削ってデカールの厚み分を無くすのだ。

 研ぎ出し作業が終わったら保護のウレタンクリア塗装。今回はサンデーペイントの「2液ウレタンスプレー 320mL クリヤー 」を利用。ナカナカ塗りやすかった。


ウレタン塗料は塗膜が強いので保護に最適。


 ウレタンクリア塗装を乾燥させたらスポンジヤスリとコンパウンドで平滑にし、最後の仕上げにガラスコーティングを施す。
 面倒な塗装作業はこれで完了!

 塗装に関する詳細は以前のブログ記事をご覧ください。

●自作ステッカー

 本物っぽさを演出するためにそれっぽいステッカーも貼り付けます。シルバーのカッティングシートにプリントしてラミネート処理。


自作ステッカー


 右側のステッカーは自衛隊の車両に取り付けてある銘板を模したデザイン。ネルフは準軍事組織なので。
 ステッカーの貼付は塗装作業が完全に終わったあと。

●アルマイト

 塗装ではありませんが、アルミパーツにアルマイト処理をして色を付けました。


元のレバー。


肉抜き加工後にアルマイト処理したレバー。

 いい感じに質感アップしました。オリジナル感マシマシ。

ヘッドバッジ製作

 デカールで済ませようと考えていましたが、立体感のあるヘッドバッジの方がカッコイイんじゃないかとなんとなく気が変わったので作ることにしました。

ヘッドバッジ
アクリル製 ダホン・ネルフ コラボデザインヘッドバッジ。

→ヘッドバッジ製作に関する詳細は以前のブログ記事をご覧ください。

運搬ハンドル付きシートクランプ



 「DAHON Dove eva計画」最大のポイントというべきパーツ。
 「FIAT AL-FDB140」を購入する前にサイクルベースあさひのオリジナルモデル「LOG OUTRUNK」を買う気でいました。


LOG OUTRUNK L


 真ん中に付いてる運搬ハンドルが便利そうでいいなと思っていたんですよね。「FIAT AL-FDB140」とかも軽くて片手て持てる重量ではあるのだけど、バランス的に持てるポイントが無い。それで、無いのなら自分で付けてしまえって考えた。

 持つポイントはちょうどフレームの分割部分なのでそこに取り付けることは不可能。新設計フレームならトップチューブ上部にボトルゲージ取り付けダボがあってそれを利用できそうだけど、旧設計のコイツには付いてない。一応自分で穴をあけてみたが補強がないのでハンドルに耐える強度は期待できそうにない…。


ボトルゲージ取り付けくらいの負荷まで

●運搬ハンドル

 それで考えたのがシートクランプにハンドルを付加させてしまおうってアイディア。フツーの人は思いつかない発想でしょう(笑。 思いついても簡単には作れないか。アルミの塊から削り出して0.1mm以下の精度で製作。アルマイト処理も自前でしたでよ。

運搬ハンドル付きシートクランプ
(たぶん)世界初、運搬ハンドル付きシートクランプ


気軽に片手で持てる。

●ボトルゲージ取り付け収納式ステー

 ただのハンドル機能だけじゃつまらないのでボトルゲージが取り付けられるギミックも施しました。純正のトップチューブ取り付けよりボトルが取り出しやすい。大容量のボトルにも対応できる。


これ、想像以上に便利!使える。

●シートポスト位置固定クランプ

 ダメ押し、シートポスト位置固定クランプも製作。後々何か付けたい時に使えるダボを後方に備えた。上下のみならず、回転ズレも防止する機能もシッカリ装備。運搬ハンドル付きシートクランプに"位置ズレ防止ピン"を差し込むことで回転ズレを防止。

位置固定クランプ
シートポスト位置固定クランプ


盗難対策としてあえてクイックレバータイプは不採用。
もう、下がるズレる気がしない。カーボンシートポストばっち来ーいっ!!

→運搬ハンドル付きシートクランプに関する詳細は以前のブログ記事をご覧ください。

換装パーツ



 フロントフォークとタイヤ以外のパーツはすべて換装。

●クランク(チェーンライン)

 自転車の顔とも言うべきチェーンホイールにはシマノのフラッグシップコンポ・DURA-ACE(FC-7701)をチョイスして高級感を演出! DURA-ACEは高級ロードバイクに装着されるグレードなのだ。 …といっても型遅れの中古だけど。さすがにこの自転車に新品を使うのは勿体無い。

FC-7701
純正チェーンホイール(左)と換装チェーンホイール(右)


 チェーンリングは標準の38Tから49Tに大径化。リア11Tにするつもりで49Tにしたのだけど、9Tになってしまったので42Tに再換装。49×9は普段使いには重かった…。クランク長は152mmから170mmに伸びて体重が乗せやすくなった。152mmは短すぎ。

・チェーンライン
 この自転車はチェーンリングが小さすぎて全然スピードが出せないともっぱらの評判で、それでクランクを換えてギア板の大径化を図る人が結構います。そこで問題となるのがチェーンライン。交換するとフロントチェーンリングが外側に行き過ぎてしまってチェーンが上手くギアの歯に掛からない。実際に付けてみないとわからないところなので色々試行錯誤しているようです。
 今回のDURA-ACE FC-7701も外側に寄っていましたが、同時に換装したホイールのフリーも外側寄りだったのでラインピッタリ! 何の問題もなくチェーンラインクリア!v


純正ホイール(左)と比べ換装ホイール(右)のギアは外側に7.5mmも寄ってる


無理のないチェーンライン

●カーボンシートポスト

 第二の関門と言うべき、カーボンシートポスト。ダホンとカーボンシートポストの相性の悪さは知る人ぞ知るところ。カーボンの摩擦係数の低さと締め付け力の弱いクイックレバー式のシートクランプでカーボンシートポストがズリ下がってくる問題。まぁ、前述した通り自分は自作シートクランプで問題クリアです。
→DAHON のカーボンシートポストが下がる件【橋輪Blog】

カーボンシートポスト
純正シートポスト(上)と換装カーボンシートポスト(下)


 換装するカーボンシートポストは安価な中華製。軽量ではあるけど強度や剛性を切り捨てた作りをしているので折れたり曲がったりしています。当然このメーカー製品のダメっぷりは織り込み済み。コチラで補強対策を施しました。

→カーボンシートポストに関する詳細は以前のブログ記事をご覧ください。

 メーカーの「Litepro」にはブランド力などありません。これでは「カネを掛けずに質感アップ」というコンセプトを満たすことができないので禁断のデカールチューンを施す。


はい、ブランド力のある「Deda」製になりました。インチキ上等。


 それなりの仕上がりなので自転車に詳しい人でも「え、Dedaってこのサイズのカーボンシートポストも作ってたの!?」ってなるでしょう。本物のDURA-ACEクランクのおかげで説得力もアップ。

 さらにさらに、このカーボンシートポストにはギミックが隠されています。ダホンから空気入れ内蔵シートポストなるものがリリースされていますが、実はコイツにも空気入れ(BETO PVP-003A)が入っているのです!


小さい携帯ポンプを内径に収納。


 「空気入れ内蔵シートポスト」ではなく、「空気入れ収納シートポスト」と呼称すべきシステムですね。メーカー純正のシートポスト一体型より使い勝手は良いと思う。外から見えないので盗難対策にもなる。

 走行中に携帯ポンプがポトリと落ちないように強力なフタ「シートポストエンド」も自作。


昔のステムのような構造。


他の換装パーツに関する詳細は以前のブログ記事をご覧ください。

●サドルバッグ

 パンク修理キットと簡単な工具を携帯するためにサドルバッグを付けるのだけど、市販されているサドルバッグはどれも取り付け時の締まりが悪いので自分は小さいカメラポーチをサドルバッグとして利用している。サドルへの取り付けはトゥストラップを使用。ビシっとくっついて締りが良い。盗難対策も一応施している。

HAKUBA PixGEAR TWINPACK
HAKUBA PixGEAR TWINPACK


 サドルに取り付けた状態。トゥストラップでサドルに固定。盗難対策としてタイラップをサドルに通し、ファスナーは小さい南京錠でロック。以前出先でチェーンが切れた時、南京錠でチェーンを結合する応急処置をしたことがあった。


ロードで何度か盗難されそうな痕跡があったが、実害を受けたことはない。


 サドルバッグの中身を公開。スペアチューブ、パンク修理用パッチ、のり、タイヤレバー、六角レンチセット、絆創膏、頭痛薬、レジ袋と小銭。

サドルバッグの中身
サドルバッグの収納物


 サドルへの取り付けに使っているトゥストラップもいざという時に何かの役に立つ(かも)。サドルバッグ一式の質量は359g。

デザイン・ギャラリー



 「構想」の項目でも記したように、CF1の配色とネルフ設定のマーキングを施したオリジナルデザイン。まぁ、納得できる仕上がりではないかと。

仕様比較



デフォルト仕様とカスタム仕様の比較です。

部品デフォルト仕様質量(g)質量差(g)質量(g)カスタム仕様
フレームFIAT AL-FDB1401,869.001,869.0
FフォークFIAT AL-FDB140405.60405.6
ハンドルバーXJ-AL-110 W500207.4-119.687.8Litepro カーボン
グリップ158.5-95.762.8Beatus
ハンドルポスト787.8-181.6606.2ノーブランド
サドルW180370.3-166.3204SPECIALIZED Toupe 143
シートポストφ33.9×470532.4-244.3288.1Litepro カーボン 580mm
シートクランプφ40.855.6137.6193.2自作ハンドル付
位置固定クランプ36.236.2自作
停止カラー6.34.310.6Litepro
クランクTOP FORGED 152mm607.5-102.8454.7シマノ DURA-ACE
FC-7701 170mm
チェーンリング38T50.0SUPERBE PRO 42T
バッシュガード40.419.860.2VXM
チェーンリングボルト9.19.1Litepro
ボトムブラケット68 117 BC1.37306.5-132.6173.9シマノ DURA-ACE BB-7700
ペダルwellgo K20410448.5-205.9242.6バズーカ 19-100-003-BLK
トゥクリップ42.042.0ウェルゴ RP-1
トゥストラップ41.841.8バズーカ 19-100-015-BLK
Fホイール14インチ 20H484.8-152.9331.9Litepro 14インチ 20H
Rホイール14インチ 20H 11T676.8-188.2488.6Litepro 14インチ 20H 9T
ホイールシャフト028.928.9Litepro
タイヤKENDA K1029-009 14×1.75494.30494.3
チューブKENDA KD504 D-012 英式178.416.8195.2パナレーサー 仏式
ブレーキレバー184.519.0203.5シマノ BL-T610
VブレーキPROMAX357.336.1393.4シマノ BR-T610
ブレーキワイヤー135.810.5146.3シマノ スチール
チェーンKMC Z246.6-20.9225.7シマノ CN-HG40
チェーン用ベルトテンショナー10.76.317.0Litepro
シートポストエンド8.028.336.3自作
スタンド191.5-90.8100.7Litepro
FリフレクターSate-lite SL-121-H43.8-43.8
RリフレクターSL123 02101013.712.726.4AHA-4204
ホイールリフレクター34.0-34.0
ベルNH-B405 NUVO28.6028.6
ヘッドバッジ等6.5-42.5自作
合 計8,957.9-1,388.07,569.9
部品質量(g)質量差(g)質量(g)追加アイテム
サイコン51.751.7CATEYE CC-MT400
LEDライト102.6102.6オーム電機 SP265Z
ポンプ51.451.4BETO PVP-003A
ボトルゲージ34.534.5ノーブランド
ボトル
サドルバッグ72.872.8HAKUBA PixGEAR TWINPACK
サドルバッグ中身265.2265.2パンク修理キット等
合 計0578.2
※タイヤやブレーキはペアの数値。
ホイールベース:実測約799mm


実走インプレッション


49T編

 ひとまずカスタム完成後の試走。漕ぎ出してみて「ギヤ比49×9はちょっと重いかなぁ」というのが第一印象。後ろは11Tのままにするつもりだったのだけど、フリーの構造がまったく異なっていたので互換性がなく換装ができなかった。クランクは長さが152mmから170mmに伸長した効果か、ペダリングが安定。グイグイ踏めるようになった。平地25km/h巡航目的であれば49×9は丁度良いと言えるけど、まったりチンタラ走るにはやはり重い。登り坂や向かい風の中をは走るには不適当なギヤ比だ。
 登り坂を少しでも有利に走れるようペダルにトゥクリップとトゥストラップを取り付けた。スタンドは脚が少し長かったようでちょっとした角度でも倒れそうになる。11mmほどカットして安定度を上げた。
 ハンドルのグリップは握り具合が良くなった。ブレーキも効き良好。自作シートクランプは効果絶大。カーボンシートポストもまったく下がらない。
 49Tでの瞬間最高速は41.5km/hをマーク。ケイデンス的にこれ以上は無理。

42T編

 フロント49Tはやっぱり重いので42Tに換装。チェーンリングはDURA-ACEの国内ライバルだったSUPERBE PRO。DURA-ACEクランクにSUPERBE PROのチェーンリングとは皮肉なものです…。ママチャリよりほんの少し重いくらいで出だしが楽になった。42×9のギヤ比は「DOVE Plus」や「DOVE Super light」で標準仕様に設定されているので万人向けに最適なのだろう。
 平地22km/h巡航に適してるかな。追い風だともう少し重いのが欲しいところだけど、登り坂や向かい風を考えると42Tがベストチョイスか。
 42Tでの瞬間最高速はちょい追い風で43km/hをマーク。試走中、右ペダルに違和感。確認したらナットが緩んだみたいでガタガタする。スパナなんて持ち歩いてないのでそのまま走行を続けていたら脱落してナットとベアリングを喪失…。まだ60kmしか走ってないのに買い替えかよ…orz

 デフォルト仕様に比べて走りがちょっと安定した感じ。質感が高まったのでテンションもちょっとアップ。ただやはり、小径車の走行安定性の低さはいかんともし難い。長いステムとシートポストは剛性感を低くし、ポジションは窮屈、段差などに対する走破性も低いので自転車としての基本性能は著しく低い。普段乗りには向いてませんね。軽量・コンパクトであることがコイツの存在意義。用途はあくまでチョイ乗りの車載用。
 重量の軽量化は走っている分には差異はわかりませんね。持ち運ぶときは軽さを実感できる。


総括



 「FIAT AL-FDB140」購入から半年以上も掛かりましたが、ネルフ仕様のDove完成です。狙い通りチープさは一掃されて質感マシマシになりました。我ながらカッコイイのではないかと思います。軽量化は第一目標ではないので減量はそれなりだけど、使い勝手と強度の方が重要なのでこんなもん。べダル、スタンド抜きの車両重量は約7.14kg。

 費用は本体含めて79,000円ほど。別途通販送料に10,000円ほど掛かった。「カネを掛けずに質感アップ」がコンセプトだったけど、素直に「Dove Plus」を買った方が安上がりだったね。(苦笑 だが、後悔はしていない。「DAHON Dove eva」は世界唯一無二。手間が掛かった分だけ愛着もひとしお。

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