FIAT AL-FDB14軽量化第一弾、シートポストのカーボン化!
FIAT AL-FDB14は
ダホン Dove、
ルノー LIGHT 8の兄弟車。
ルノー LIGHT 8
うん、シートポストカーボン化ね。
ダホン車販売で実績のあるプロショップや魔改造のスペシャリストもサジを投げた無理ゲーカスタム。カーボンは摩擦係数が低く乗っているとズリズリ下がってくるらしい。
分かっているなら素直にアルミ製にしておけゃいいのにって声も聞こえてきそうですが、こういうの挑戦したくなるんですよ。工作好きの血が騒ぐ。(苦笑
カネがあるなら
コイツを買っとけ。
KCNC ライトウイング今回チョイスしたカーボンシートポストは激安中華パーツで有名な「
Litepro」製。
ダメ元なので高価なものは買えん。
とは言え、内心では何とかなるんじゃね? と思ってる。 パッと見た感じはそんなに安っぽさは感じない。Litepro のロゴは後で消す。
ポストの直径は実測30.0〜33.67mm。激安中華パーツらしい品質。
標準シートポストの質量は532.4 g。カーボンは247.9gだったので実に284.5 gもの軽量化!
スゴく軽くなったぞ! ワーイ♪
…などと脳天気に喜ぶ気にはなれません。
パイプの肉厚は1.77mmと2mmも無い薄さ。両端を持ってヒザでバキッとやれば折れるんじゃないか…
極薄1.77mm。ちなみに、ロードに取り付けているデダのちょっと良いカーボンシートポストの肉厚は2.66mm。
強度的には2倍くらいの差があるのではなかろうか。小径車は特にシートポストの露出長があるので負荷はかなり増すハズ。
自分に内蔵された危機感知センサーが反応します。
コイツを素のまま使ったら走行距離600km以内に十中八九折れる。シートポストズリ落ち問題より深刻だ。
実際に折れた方がいます。→
http://blog.bddb.org/2022/06/litepro.html激安中華メーカーの耐荷重表記や指定トルクなんかはまったくアテにならない。絶対まともな試験なんてしてませんよ。まぁ、それもある程度承知の上での購入ですが。
それで補強対策を考える。
具体的な問題は薄いパイプによる強度不足。荷重により変形し、力が一点に集中して損壊。つまり、強度を高めつつ加わる力を分散し変形を抑えることが肝要。
パイプ内径が30.2mmだったので外径30mmのアルミパイプを差し込もうかとかと思ったが、より強固かつ安価に済む塩ビパイプを叩き込むことにした。
用意したのはホムセンで売ってる内径25mm規格の塩ビパイプ。いわゆる水道管。外径は32mm。
弾力性もあり、人の力で折れる気がしない。
塩ビパイプ。肉厚は約3.3mm。シートクランプの固定位置はシートポストに印字された「1」の所。補強塩ビパイプはこの写真の位置に固定。外径32mmのパイプは内径30mmのパイプには当然どうしたって入りません。だが、そこがいい。
直径32mmの円周は100.53mm。これから直径30.2mmの円周94.88mmを引けば5.65mm。
塩ビパイプに幅5.65mmのスリットを入れればよいのです。常に外側に圧力が加わる状態になるのでズレる心配が少ない。
ただ、スリット1本だけではさすがに挿入時にキツいので溝を入れて変形しやすくし、先端は引っ掛からないようヤスリで斜めに削る。長さはテキトーに160mmに切断。
加工した補強塩ビパイプ境目の部分に負荷が集中しないよう柔軟性を持たせるため先端に2本の細いスリットも入れた。
筋彫り加工には
自作卓上トリマーテーブルが役に立つ。
断面補強塩ビパイプの質量は53g。
緩過ぎてもキツ過ぎてもマズいので、スリットの幅は正確に合わせる。シートポストに挿入する前にシートポストの端を30mmほど切り落として確認。
通るか確かめる。実際に打ち込み始めたらかなりキツい。(汗
9割以上が挿入された状態なのでもう引き抜くことはほぼ不可能。こうなったら最後までブチ込むしかない!
それで急遽叩き込み補助具を製作。最初に作った塩ビパイプ製補助具はハンマーで叩き込んだ時に割れたので全金属製に作り直した。
パイプ叩き込み補助具以前切り飛ばしておいたスチールラックのパイプとM12の寸切りボルト、ナット、M14ワッシャで製作。パイプは捨てずに取っておいて良かった。M14ワッシャも直径30mmとジャストサイズ。
破断もせずなんとかブチ込むことができました。シートポスト強度も倍くらいになったのではなかろうか。
塩ビパイプによるカーボンシートポスト補強法はあららオリジナルアイディア。肉厚の薄いアルミシートポストにも有効でしょう。
ちなみに、補強塩ビパイプ挿入によりシートポスト質量は288.1gとなりました。
質量288.1gなら十分軽い。まずはフツーに換装して試走してみる。
カーボンシートポストを纏ったAL-FDB1415km走った結果…
左が出走前、右が15km走行後。4mmほど低下。うむ、やっぱり下がるんだなぁ。こうじゃないとチャレンジのし甲斐がない。(笑
ちなみに、自分の体重は66kgほど。
もうちっと痩せたい… 【対策その1】スリーブ内側のヤスリがけとボルト締め
スリーブ内側をヤスリがけして摩擦係数を増やす。
内側をヤスリがけしたスリーブクイックレバーよりボルト止めの方がキツく締められる。また、シートポスト盗難対策としてクイックレバーは廃止にしたかったので渡りに船。
「フォールディングバイクだからクイックレバー」って固定観念を駆逐したい。
ボルトは目一杯締め付ける。これで割れるようならそれまでの製品ってこと。もっとも、補強塩ビパイプの挿入でカーボンパイプは変形しにくくなっているので割れにくくはなっていると思う。また、実際のところ細い4mmアーレンキーでは力を入れてもしなるのでそこまで強く締め付けられない。
20km走った結果…
左が出走前。右が20km走行後。0.7mmほどの下落でしょうか…。
【対策その2】耐水ペーパーの貼付
1000番の耐水ペーパーをカーボンシートポストに貼付して摩擦係数爆上げ作戦!
紙ヤスリである耐水ペーパーなら滑ることなんてまずはあり得ない。雨で濡れてもある程度大丈夫なように通常の紙やすりではなく耐水ペーパーをチョイス。
カーボンシートポストへの接着は水性ニスを使用。
耐水ペーパーを貼付したカーボンシートポスト左が出走前。右が20km走行後。まったく下落無し! これは下がる気がしない。
ただ、この方法だとシートピラーを頻繁に上げ下げする場合にちょっと億劫。
…とは言っても、カーボンシートポストを上げ下げすると絶対キズだらけになるので下げる気は無いんですけどね。クルマに載せる時はカーボンシートポストは引っこ抜く予定。
頻繁に上げ下げする使い方の場合はアルミ製のシートポストを採用しましょう。アルミならキズついても精神的ダメージは少ない。
アイディアは他にもまだまだありますが、最初は簡単にできる方法から。
なお、カーボンシートポストに換装してから100km走行しましたが、今のところシートポストに異常は無い。補強塩ビパイプが上手く機能しているのかな。