小型粉塵除去装置を作りました。
小型粉塵除去装置 「小型粉塵除去装置」とは、簡単にわかりやすく言うとDIYに特化した小型空気清浄機です。何故に空気清浄機と呼称しないのかというと、市販品の空気清浄機ほど空気を浄化する能力が無いから。だがしかし、そこが良いのです!
小型粉塵除去装置の特徴1.フィルター性能2.高い機動性3.その他■フィルター性能
コイツを作った目的はトリマーやサンダーで発生する細かい粉塵を部屋に舞い広がらないようにするため。故に、PM2.5やらウイルスといった目にも見えないレベルのものは眼中に無し。市販品にはそういう割りきったものが無いんですよね。
フィルター性能を高める必要性がないのでその分吸引力を落とさないで済みます。
・メインフィルター フィルターは前面にレンジフード用のフィルターを二枚重ねでセット。
メインフィルター挟み込み式 フィルターのセットは簡単な挟み込み式。
元の素材は焼網です。編み部分を切り取ってアルミ複合板で作った枠に取り付けた。
バーベキュー網。ダイソーで入手。フィルターの脱着は上部のアルミ部を跳ね上げるだけ。フィルターに吸い付いたサンダーの粉塵。掃除機で吸い取ればすぐにフィルター性能復活。粉塵がビッシリ吸い付いていたのがよくわかりますね。
・水着式フィルター 細かいチリの除去はあまり重視してはいないのですが、排気口から汚れた空気を撒き散らすのはやっぱり嫌なので、ちょっと対策を講じました。それは「水着式フィルター」。世間では「水式フィルター」と言われていますが、自分は「水着式フィルター」と呼称したい。あ、「水着」は"みずぎ"ではなく"すいちゃく"と読む。
「水着式フィルター」とは、細かいゴミを水面に吹きつけて水に吸着させるというもの。水は物体をくっつける性質があるのだ。業者の塗装ブースでも水を流してホコリを除去するシステムになっている。
水着式フィルターボックス ボックスに水を入れる。中の網は水が暴れてこぼれにくくするため。波消しブロックのようなものですね。
ボックスはダイソーの収納ケース(87☓170☓85)を利用。白は汚れが目立つので黒をチョイス。 小型粉塵除去装置はこの収納ケースのサイズを基準にして設計しました。
内部構造。DCブロアで吸い込んだ空気を下の水着式フィルターボックスに吹き込ませる。 水着式フィルターを通過したクリーンな(?)な空気が左から排出。
ブロアファンは静圧が高いのでこういう用途に適しているのだ
。一応水が溢れても支障ないようにコーキング処理を施している。
フタをして引き出しのように本体にセット。 水着式フィルターにどれほどの効果があるのかは定かではありませんが、水が汚れている様子を見れば多少は効果あるのかと…。
メインフィルターは100均で売っているレンジフード用フィルター。汚れても掃除機で吸い取れば性能復活。水着式フィルターの水はほぼタダ。つまり、フィルターのランニングコストは0円!
・DCブロアファン 吸引力の源泉となるファンには大型DCブロアを採用。
山洋電気 SanAce B150 「
掃除機サイレントボックス」でも採用したブロアファン。強力で色々使い道があり重宝している。信頼の日本メーカー製なので連続運転も安心。
動作音はフィルター無しの状態でも42dB程度。結構静か。あらら Storeで独占販売中。
「SanAce B150」はメーカー生産終了品なので在庫が無くなったらもう入手不可能。メーカー直販価格は7,000円くらいでした。
■高い機動性
・小型軽量なボディ 「小型粉塵除去装置」の大きなアドバンテージが高い機動性です!
まず、小型軽量なボディ。メーカー品と比べれば一目瞭然。
市販品とのサイズ比較。 ツインバードの「
AC-4234W」は特に小型の機種。「
AC-4238W」はフツーの小型機。シャープの「
KC-N50」は売れ筋の一般的な機種。
設置面積の比較 設置面積も小さいので狭い場所にも置きやすい。また、ボディが細長く安定性が悪いので底板に重量のあるパーチクルボードを用いて低重心化を図った。
・2WAYコードレス電源 わずらわしい電源コードを必要としないコードレス機構。コンセントの無い場所でも使用可能。
乾電池8本で駆動が可能。 DCブロアは24V仕様なので
昇圧回路で20Vまで電圧を上げている。連続駆動時間は約2時間。乾電池だとランニングコストが悪いので充電池の
エネループを使用。
長時間連続駆動が必要な場合は19〜24VのACアダプターで動かせる。
上面に外部電源用のDCジャックを設置。裏面に運搬用の把手を配置。■その他
背面排気ハッチ 壁際に置いた場合にも排気がスムーズに行えるように排気ハッチを設置。
排気ハッチ 開放することで排気を上部方向に流すことができる。
・拡散防止板 粉塵が拡散しないように拡散防止板を用意。
拡散防止板設置時。 取り付けは2本のピンを本体の穴へ差し込むだけ。
拡散防止板は折りたたみ式で収納のしやすさも考慮。1mm厚の塩ビ板。・デザイン 機能性第一で作ったのでデザインは二の次。フィルターがむき出しだとカッコ悪いのだけど、カバーを付けて性能ダウンさせては元も子もない。あとは極力小型を目指した。
フロントリア 塗装は油性ニスのマットブラック仕上げ。ラッカーより塗膜が強い。
メインフィルターを取り外した状態。●仕様電 源:DC12〜24V、DC20V(充電池)
消費電力:10.8W(充電池時)、12.96W(DC24V時)
最大静圧:280.0Pa
最大風量:1.65m3/min(58.2CFM)
寸 法:W190☓D98☓H400(突起物除く)
質 量:3.2kg
●使用材料・MDFボード(9mm厚)
・MDFボード(5.5mm厚)
・アルミ複合板
・パーチクルボード
・アルミ材
・塩ビ板(1mm厚)
・透明アクリル板(1.5mm厚)
・DCブロア SanAce B150 24V 0.54A
・電池ボックス(単三☓8)
・ロッカースイッチ
・DCジャック
・昇圧回路
・焼網
・収納ケース(87☓170☓85)
・フラッシュ丁番
・蝶番
・超強力マグネット
・ゴム板(2mm厚)
・クリアデカール
●使用工具・卓上スライドマルノコ 日立工機
C6RSHC・テーブルソー プロクソン
28006改・テーブルソー プロクソン
28070改・卓上ボール盤 レクソン
DR2250R改・
自作トリマーテーブル TT350・ドライバドリル 日立工機 DS10DAL
・ドライバドリル 日立工機 DS10DFL
・サンダー リョービ
S-555M・ニッパー
・ヤスリ
・+ドライバー#2
・カッター NTカッター
・彫刻刀
・木工用接着剤 コニシ
ボンド 木工用速乾・万能接着剤 モノタロウ もっとくっつけ太郎
・墨汁
・油性ニス(ブラック) ワシン
・油性スプレーニス(つや消しクリア) ワシン
・水性スプレー(ブラック)
●総 評 電動工具使用時に発生する粉塵は吸い込むと健康に悪く、部屋も汚す。それでテーブルソーやトリマーテーブルには掃除機を接続して使っているのだけど、すべてを吸い込むことは不可能。吸い漏らした粉塵は部屋に舞い広がってしまう。
そこで空気清浄機と思ったのだけど、市販品には適当なものが無い。粉塵に特化し小型で持ち運び・設置しやすく、電源コードをイチイチ差し込む必要のないコードレス仕様。
無いのなら 作ってしまえ、ホトトギス。
ほぼ思惑通りのものができました。コードレス超便利! 設置面積も小さいからどこにでも置ける。粉塵をよく吸い付けて下手な市販空気清浄機より効果的。コレ、結構良いですよ♪
電動工具メーカーもこういうの出せば売れるんじゃないでしょうかね。