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SDP-300V のドリルチャックをユキワ 13MG-6JT に換装

2019/02/01 13:11  
 ドリルチャックの換装(後編)。

 SDP-300V のドリルチャックをユキワ精工「13MG-6JT」に換装しました。

SDP-300V+13MG-6JT
ユキワ 13MG-6JT を装着したSDP-300V

 ジャコブステーパーJT-33のSDP-300Vにユキワのドリルチャックが付いているのはちょっと不思議な感じがしますね。(笑

 ユキワ「13MG-6JT」と標準ドリルチャックの比較。


ユキワ「13MG-6JT」(左)と標準ドリルチャック(右)







13MG-6JT標準ドリルチャック
ジャコブステーパーJT-6JT-33
つかみ能力(mm)1.2〜13.01.5〜13.0
外径(mm)52.545.5
全長(mm)8778
精度(mm)0.08
質量(g)685403

 つかみ能力はほぼ同じながらサイズが一回り違います。質量も1.7倍。品質の高さもさることながら、フライホイール効果で13MG-6JTの方が安定した切削が期待できそう。

 ブレも大幅に解消。



 ほんの若干ブレを感じますが、このブレはチャックではなくスピンドル自体に原因があるようなのでこれ以上の改善は無理。しょせんDIY向けのSDP-300Vはここら辺が性能の限界でしょう。さらに精度を求めるなら10万円以上の機種を買うしかありません。
 まー、とりあえず合格レベル。

 して、いかにしてSDP-300V に 13MG-6JT を取り付けたか興味のある方は多いでしょう。その種明かしをします。
 ぶっちゃけ、SDP-300V標準のスピンドルはJT-33なのでJT-6の13MG-6JTは取り付けられません。無理です。

 であるならば、

 「取り付けられないなら取り付けられるスピンドルに換えればいいじゃない。」と、マリー・アントワネットは言いました。

 チャックだけでなくスピンドルもまとめて換えてしまえばよいのです。
 聞いてしまえば「なーんだ」って言われそうですね。(苦笑

 ただ、ボール盤のスピンドルなんてフツーは単体で売っていません。規格も統一されているワケじゃない。JT-6仕様のボール盤のスピンドルを取り寄せるしかありません。

 それでサイズ的に近いリョービのTB-1131Kを候補に適合調査を開始。ホームセンターに展示機があったので可能な範囲で調べてみた。ホントはバラして調べたかったけど、それをしたら器物損壊で逮捕される。(苦笑

TB-1131KTB-1131KTB-1131K


 なんとか合いそうな感じがしたのでTB-1131Kのスピンドルをショップに取り寄せてもらいました。本当に使えるかどうかは賭けです。(こういう賭けはよくしますが、外すことも結構ある(苦笑 )メーカーに問い合わせたって絶対に答えてくれませんしね。メーカーの人も他社製品のことなんて知らんだろうし。

KD13508
リョービ スピンドル「KD13508」。

 そして、一応 賭けに勝ちました!
一応、と言うのは後ほど…

 パーツの型番は「KD13508」。お値段は2,500円ほど。13MG-6JTと足しても堀内製作所の「13MG-JT33」(11,740円)よりちょっとお得。

KD13508
標準スピンドル(上)と「KD13508」スピンドル(下)

 ボールベアリング取り付け位置は同じ。長さは「KD13508」の方が10mmほど短い。

 早速、SDP-300Vに取り付けます。

 まず、「KD13508」スピンドルにボールベアリング「6201ZZ」を1つ取り付ける。結構キチキチなのでハンマーでブッ叩く。



 金属製ハンマーで叩くとパーツが潰れてしまうので必ずプラハン(コンビネーションハンマー)を使う。


 
KTC
コンビハンマ 1ポンド UD710
TONE
コンビネーションハンマー
BHC-05 0.5lb


 なお、ボールベアリングは標準の物から日本精工(NSK)製の物に換装しました。標準ボールベアリングはJCBというシナのメーカー製。日本ではどのショップでも取り扱っていないようです。ボールベアリングは日本製かドイツ製に限る。


標準のJCB製「6203RS」「6201RZ」(上)と日本精工(NSK)製「6203ZZ」「6201ZZ」。

 触ってみたところ、標準のJCB製に不具合は感じられませんでしたが、せっかくなので日本製に換えました。やっぱり安心感が違う。




 次に主軸にスピンドルを挿入して反対側に同じボールベアリング「6201ZZ」を取り付ける。


ボールベアリングを取り付けたら止め輪で固定。

 パーツにはグリスを塗っておく。金属同士の摩耗を防いで動きを滑らかにし、サビ防止にもなる。

グリス
自転車乗りの超定番・シマノ プレミアムグリス

 プーリーの取り付けシャフトにボールベアリング「6203ZZ」を2つ取り付ける。

6203ZZ
プラハンで叩き込む!


SDP-300V本体に取り付け。挿入したら止め輪で固定する。


主軸を入れたらハンドルを取り付ける。


プーリーとベルトを取り付ける。

13MG-6JT
ユキワ「13MG-6JT」を差し込んでドリルチャック換装作業完了!

SDP-300V+13MG-6JT
高品質なユキワのドリルチャックを付けるとボール盤全体の品位が上がった感じになりますね。カッチョイイ。

 無事にドリルチャックの換装はできましたが、副作用が1つ。スピンドルが標準のものより10mm短いのでキリの最大送りが58mmから49mmになってしまいました。これは結構残念…。キリ送りを短くしたくない人は素直に堀内製作所の「13MG-JT33」を買いましょう。
 まぁ、他社の同クラスのボール盤は50mmがほとんどなので許容範囲と割り切ろう。それに、SDP-300V改にはこのハンデを帳消しにする独自機構を組み込むつもり。ウヒヒヒヒ…


 SDP-300V大改修計画はまだまだ始まったばかり。ドリルチャック換装は計画全体の4%ほどの作業量。本計画にはパワーのあるボール盤が必要なのでSDP-300V自体の働きが必要なのだ。

 続報を待て!




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コメント

◎コメントは内容確認後に掲載となります。なお、責任持てないので技術的質問には原則応じていません。

1. 無題

なるほど~。スピンドル交換でしたか。
しかし他のメーカーの物を持って来るなんてチャレンジャーですね。(^^;
それがまたほとんど同じ寸法というのもびっくり。

ちなみに我が家のはこんな感じで、中古機械の業者から購入してあれこれ手をかけています。
http://blog.an-giken.com/2019/01/post-330b.html

2. 無題

ita さん

ブログ拝見しました。なんか年季の入ったボール盤ですね。
古い機械って結構ガッチリした作りの物が多いので精度と耐久性が高そう。

それはそうと、ita さんも自転車が趣味でしたか!
当ブログはDIYメインなので自転車関連は載せないようにしてますが、
自分もロード2台とMTBをフルカスタムしたパスハンター1台に乗ってます。
自転車は良いですよねぇ。

3. 無題

はい、私も自転車乗りでございます。
でも私も気がついてました、araさんも自転車乗りだって事を。
何故ってスピンドルに塗るのがduraグリスでしたから。
しかもチューブ入り。(笑)
私も愛用してますけどね。チューブ入り。(^^;

4. 無題

いつも楽しくブログを拝見させていただいております。
GREAT TOOLのGTTB-13SPに、ユキワ13MG-6JTを取り付けたく、TB-1131Kのスピンドルを取り寄せましたが、スプラインの嵌合部分がプーリーの取り付けシャフト(ドライブスリーブ)の嵌合部分と合わずにガタガタでした。そこでTB-1131Kのドライブスリーブを取り寄せたところ、今度はプーリーが合いません。TB-1131Kのプーリー取り付け部はテーパーでした。完全にドツボに嵌りました(笑)
技術的質問には原則応じていません。とのことですが、質問させてよろしいでしょうか?もちろん、全て自己責任です。
SDP-300VのスピンドルとTB-1131Kのドライブスリーブのスプラインの嵌合具合はいかがだったですか?
また、SDP-300Vのドライブスリーブのプーリー取り付け部の直径をお教え願いませんでしょうか?
残る方法はSDP-300Vのドライブスリーブを取り寄せて試すしかないもので。
もし、araさんの主義に反する書き込みだったのであれば、削除して頂いても構いません。
私も幾度となくチャレンジして失敗してるので、慣れっこですから(笑)

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