ドリルチャックの換装(後編)。
SDP-300V のドリルチャックをユキワ精工「
13MG-6JT」に換装しました。
ユキワ 13MG-6JT を装着したSDP-300V ジャコブステーパーJT-33のSDP-300Vにユキワのドリルチャックが付いているのはちょっと不思議な感じがしますね。(笑
ユキワ「13MG-6JT」と標準ドリルチャックの比較。
ユキワ「13MG-6JT」(左)と標準ドリルチャック(右) | 13MG-6JT | 標準ドリルチャック |
ジャコブステーパー | JT-6 | JT-33 |
つかみ能力(mm) | 1.2〜13.0 | 1.5〜13.0 |
外径(mm) | 52.5 | 45.5 |
全長(mm) | 87 | 78 |
精度(mm) | 0.08 | ? |
質量(g) | 685 | 403
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つかみ能力はほぼ同じながらサイズが一回り違います。質量も1.7倍。品質の高さもさることながら、フライホイール効果で13MG-6JTの方が安定した切削が期待できそう。
ブレも大幅に解消。
ほんの若干ブレを感じますが、このブレはチャックではなくスピンドル自体に原因があるようなのでこれ以上の改善は無理。しょせんDIY向けのSDP-300Vはここら辺が性能の限界でしょう。さらに精度を求めるなら10万円以上の機種を買うしかありません。
まー、とりあえず合格レベル。
して、いかにしてSDP-300V に 13MG-6JT を取り付けたか興味のある方は多いでしょう。その種明かしをします。
ぶっちゃけ、SDP-300V標準のスピンドルはJT-33なのでJT-6の13MG-6JTは取り付けられません。無理です。
であるならば、
「取り付けられないなら取り付けられるスピンドルに換えればいいじゃない。」と、マリー・アントワネットは言いました。
チャックだけでなくスピンドルもまとめて換えてしまえばよいのです。
聞いてしまえば「なーんだ」って言われそうですね。(苦笑
ただ、ボール盤のスピンドルなんてフツーは単体で売っていません。規格も統一されているワケじゃない。JT-6仕様のボール盤のスピンドルを取り寄せるしかありません。
それでサイズ的に近いリョービの
TB-1131Kを候補に適合調査を開始。ホームセンターに展示機があったので可能な範囲で調べてみた。ホントはバラして調べたかったけど、それをしたら器物損壊で逮捕される。(苦笑
なんとか合いそうな感じがしたのでTB-1131Kのスピンドルをショップに取り寄せてもらいました。本当に使えるかどうかは賭けです。(こういう賭けはよくしますが、外すことも結構ある(苦笑 )メーカーに問い合わせたって絶対に答えてくれませんしね。メーカーの人も他社製品のことなんて知らんだろうし。
リョービ スピンドル「KD13508」。 そして、一応
賭けに勝ちました!一応、と言うのは後ほど… パーツの型番は「KD13508」。お値段は2,500円ほど。13MG-6JTと足しても堀内製作所の「
13MG-JT33」(11,740円)よりちょっとお得。
標準スピンドル(上)と「KD13508」スピンドル(下) ボールベアリング取り付け位置は同じ。長さは「KD13508」の方が10mmほど短い。
早速、SDP-300Vに取り付けます。
まず、「KD13508」スピンドルにボールベアリング「
6201ZZ」を1つ取り付ける。結構キチキチなのでハンマーでブッ叩く。
金属製ハンマーで叩くとパーツが潰れてしまうので必ずプラハン(コンビネーションハンマー)を使う。
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KTC コンビハンマ 1ポンド UD710 | | TONE コンビネーションハンマー BHC-05 0.5lb |
なお、ボールベアリングは標準の物から
日本精工(NSK)製の物に換装しました。標準ボールベアリングは
JCBというシナのメーカー製。日本ではどのショップでも取り扱っていないようです。ボールベアリングは日本製かドイツ製に限る。
標準のJCB製「6203RS」「6201RZ」(上)と日本精工(NSK)製「6203ZZ」「6201ZZ」。 触ってみたところ、標準のJCB製に不具合は感じられませんでしたが、せっかくなので日本製に換えました。やっぱり安心感が違う。
次に主軸にスピンドルを挿入して反対側に同じボールベアリング「6201ZZ」を取り付ける。
ボールベアリングを取り付けたら止め輪で固定。 パーツにはグリスを塗っておく。金属同士の摩耗を防いで動きを滑らかにし、サビ防止にもなる。
自転車乗りの超定番・シマノ プレミアムグリス。 プーリーの取り付けシャフトにボールベアリング「6203ZZ」を2つ取り付ける。
プラハンで叩き込む!SDP-300V本体に取り付け。挿入したら止め輪で固定する。主軸を入れたらハンドルを取り付ける。プーリーとベルトを取り付ける。ユキワ「13MG-6JT」を差し込んでドリルチャック換装作業完了!高品質なユキワのドリルチャックを付けるとボール盤全体の品位が上がった感じになりますね。カッチョイイ。 無事にドリルチャックの換装はできましたが、副作用が1つ。スピンドルが標準のものより10mm短いのでキリの最大送りが58mmから49mmになってしまいました。これは結構残念…。キリ送りを短くしたくない人は素直に堀内製作所の「
13MG-JT33」を買いましょう。
まぁ、他社の同クラスのボール盤は50mmがほとんどなので許容範囲と割り切ろう。それに、SDP-300V改にはこのハンデを帳消しにする独自機構を組み込むつもり。
ウヒヒヒヒ… SDP-300V大改修計画はまだまだ始まったばかり。ドリルチャック換装は計画全体の4%ほどの作業量。本計画にはパワーのあるボール盤が必要なのでSDP-300V自体の働きが必要なのだ。
続報を待て!
1. 無題
しかし他のメーカーの物を持って来るなんてチャレンジャーですね。(^^;
それがまたほとんど同じ寸法というのもびっくり。
ちなみに我が家のはこんな感じで、中古機械の業者から購入してあれこれ手をかけています。
http://blog.an-giken.com/2019/01/post-330b.html