垂直の穴空けには通常はボール盤を使用しますが、大きい板や高さのあるものには使えないのでドライバドリルを用います。しかし、ドライバドリルで垂直な穴を掘るのはNHKの「凄ワザ」に出演できるレベル。フツーの人はおろか一般のプロでも至難の業でしょう。質の高い工作をするには垂直な穴あけは不可欠!
そこで登場するのが「ドリルガイド」。電動ドリルで穴を垂直に掘る時に用いる補助器具です。多くのメーカーから色々発売されていますが、今回は神沢鉄工の「
ドリルガイド K-801」をチョイス。
●神沢鉄工のドリルガイドは4種類 |
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| K-801 | スタンダードモデル。ドリルチャック10mm仕様でストローク130mm。1.4kg。
メーカー希望小売価格 :11,500円(税抜) |
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| K-801-2 | ドリルチャックを13mmにし、ストロークも220mmに延長したタイプ。1.65kg。
メーカー希望小売価格 :12,500円(税抜) |
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| K-801-3 | インパクトドライバを装着できるモデル。装着できるドリル刃は6角軸タイプ限定。ストローク170mm。1.3kg。
メーカー希望小売価格 :13,414(税抜) |
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| K-801-4 | 角度設定ができるタイプ。チャック能力13mm、ストローク200mm。2.5kg。
メーカー希望小売価格 :19,800円(税抜) |
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他社のプラスチック製ベース、ガイド棒φ10mm、角度可変タイプのものは剛性が不足気味。しかしプロ仕様を謳っているK-801はベースがアルミ製で重心が低く、ガイド棒もφ13mmと太く、角度固定仕様で剛性が高いため安定した作業ができます。
改良計画の内容は次の通り。今回の改良工作は難易度が低いので気軽にできます。
1. ドリルチャック部のストッパー設置
2. チャックハンドルホルダー設置
3. LEDライト設置
4. アクリルベース取り付け
5. 補助テーブル
6. V型ブロックの滑り止め加工
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K-801 改 | デフォルト K-801 |
・ストッパーブロック ドリル刃の交換作業をしやすくするためドリルチャック部を固定するストッパーを取り付けました。そしてブロックを利用してチャックハンドルホルダーを設置。ホルダーと強力磁石で確実にチャックハンドルをホールドします。さらに、強力磁石に直尺をくっつけることで穴の深さを調節するストッパーリングの位置決めを容易にしました。
ストッパーブロックはアルミ材とアルミ複合板で製作。ストッパー以外の機能も付加。 反対側にはライトを設置。
100均のミニLEDライトを取り付けたホルダー。
ドリルチャックで影ができるのでドリル刃先端を照らせるライトは重宝します。 ストッパーブロックを作る前に直接ツマミネジをガイドに取り付けましたが、肉厚が薄すぎて強度がなく失敗。
肉厚が薄すぎネジ穴がユルユルに…。まぁ、想定の範囲内ですけどね。・アクリルベース 横一列に複数穴を開けるときに定規を当て易くする。
5mm厚の透明アクリル板。中心線を掘って穴開け位置を合わせやすくした。・補助テーブル 厚みの薄い板に穴開けする時に便利な補助テーブルを製作。板を挟むようにして設置します。
9mm厚MDFボードとアルミ材で製作。ロゴはデカールチューン。薄い板に設置することでドリルガイドを置けるようにする。板は2×4材とFクランプで立たせる。 あとはV型ブロックにゴム板を張り付けて滑り止め、キズ防止加工を施しました。
このV型ブロックはパイプ等の丸い物に穴を開けるときに使います。 最後に、安っぽいツマミネジを交換。ストッパーリングはステンレス製の蝶ボルトに換装。ガイド棒固定ボルトはキャップボルトに換装。極力安っぽい感じは出さないようにしたい。
ドライバドリル装着の図 数あるドリルガイド製品の中では圧倒的に剛性のあるK-801てすが、シャンクにガタつきがあったり、ドリルチャックが安っぽかったりと、ちょっと設計が甘いところがあるので神沢鉄工にはもう少しシッカリした物を作って欲しい。そうでなくてはプロ仕様とは言えませんぜ。
とはいっても、ドリルガイドとしては唯一オススメできる存在ではあります。
他社製品はお安いけど作りは値段相応。スターエム製品を使ってみたところ剛性感が弱くヒョロい感じで、「これはないな〜」と思いました。ま、使い物にならないってほど酷くはないですが…、剛性の大切さは実感することでしょう。