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エレベーター用小型扇風機

  • エレベーター用小型扇風機 完成!
    2017/08/07 13:11  
     完成しました。


    エレベーター用小型扇風機

     毎年夏になると欲しくなるのがエレベーター内の扇風機。エレベーターのカゴ内は通気性皆無なので閉じ込められたら最悪。理想は冷房の設置ですが仕様的、コスト的に絶対無理。エレベーター内に設置できる扇風機を自作するしかありません。

     エレベーター内にはコンセントがないので電池駆動方式とする。エレベーター本体は200Vなのだけど照明は100Vなので改造すればコンセントも付けられるのだろうけど、電気工事士の資格もないし、ちょっとイジりたくないなーと…。ショートさせてエレベータ本体が止まったらマズいし。

     今回の製作コンセプトは「メーカー品ぽいクオリティ」と「人感センサー」。


    ●設 計
     ゴテゴテしたデザインだとメーカー品ぽくないのでとにかくシンプルデザインを志向。あとはエレベーターのカゴが小さいので圧迫感を低減させるためボディサイズのコンパクト化を図った。


    設計図。これ以上小さくできないってところまでコンパクトにした。

     一般的な30cm壁掛け扇風機との比較。圧迫感がまったく違う。

    圧倒的なコンパクトさを実現! まぁ、性能も違うけど。

     盗難対策や電池交換も考えた設計になっています。


    ●構 造
     採用したファンは12V 80mm角DCファン2基。ボディは5.5mmと4mm厚のMDFボードを使用。強度が必要な箇所にはアルミ材を使いました。


    剛性とコンパクト性を考慮した構造。

    ・人感センサー
     常時駆動だと電池が一日も持ちません。手動ON/OFFだと操作が煩わしいし、OFF操作を忘れたら回りっぱなしになって電池が消耗してしまう。それで人が乗っている時だけ自動で回る仕組みを考えた。人感センサー(焦電型赤外線センサー)の搭載です。


    中央の丸い物が焦電型赤外線センサー

     検知中と検知後10秒間作動する。ちなみに、焦電型赤外線センサは熱を検知して動くというより、熱(赤外線)の変化を検知して作動します。なので人(熱源)がいても身動きしていないとOFFになる。

    ・電池交換
     電池交換が容易にできるよう、電池ボックスが付いた基板ユニットを取り外せる構造になっています。


    電池は単三8本。


    真ん中の基板が焦電型赤外線センサー回路。

     実働させてみたところ、電池の持ちは約10日。思っていたより持ちませんね…。それで電池を充電式のエネループに代えました。
     エネループの持ちは約8日間。乾電池よりちょっと持ちませんが、徐々にパワーダウンする乾電池とは違って電池切れ限界までパワフルに動くので使い勝手はエネループの方が良い。




     エネループの充電電気代は1回あたり約0.162円/本ということらしいので圧倒的に乾電池より経済的。今回の扇風機のような頻繁に交換する使い方に最適。


    ・スイッチ
     DCファンが駆動していなくても人感センサーには常に待機電流が流れているので、完全にOFF状態にするためのスイッチを取り付けました。


    小さいスライドスイッチ。目立たないように設置。

    ・盗難対策
     盗難に遭いにくいよう色々細工を施しています。構造の詳細を公開してしまうと盗難リスクが高まるので非公開。構造がわからないとまともに取り外すことはほぼ不可能。


    底には鍵穴が…

    ・メンテナンス
     故障時に修理がしやすいようにボディを裏蓋構造にしました。クルマに例えるならボンネットですね。ボンネットが開かないクルマじゃまともなメンテはできません。


    裏蓋はネジ留め。


    裏蓋の内側に無駄なデカールチューン。(苦笑 黒く塗って内部構造をわかりにくくしている。

    ・セーフティ
     DCファンの裏側にファンガードを設置。誰がエレベーターに乗るかわからないので万一に備える。


    マヌケな人が指を突っ込まないように。


    ●デザイン
     今回は人の目に晒されるのでメーカー品っぽいクオリティに仕上げることを重視しました。手作り感満点だとちょっと恥ずかしいので…。

     扇風機といったら白が定番。なので、白。ただ、白って汚れが目立つのでちょっと苦手なんですよね。完全乾燥させるため塗装後1週間放置。


    Simple is best.. ネジは極力見せない方向で

     ちなみに前作。基本構造はほぼ同じだけどプロダクトデザインを修正。角度調整可能な構造にしましたが、固定式の方が見た目がスッキリするので引き継ぎませんでした。


    手作り感満点。ダサッ(苦笑

    ・デカール・ステッカーチューン
     エレベーターが三菱電機製ということで、扇風機も三菱電機製を気取ってみました。正面の透明アクリル板には「MITSUBISHI」のロゴデカールを貼付してシルバーでセル画塗り。


    MITSUBISHI

     ファンには三菱電機製DCモーター扇風機のブランド名「SEASONS」を貼付。本品もDCファンだから。(笑


    研ぎ出ししてデカールの段差を解消。

     裏にはそれっぽい銘板ステッカーを貼付。


    取り付けたら見えないんだけど、こーゆー小細工好きなので。
    脱字とかマークとかツッコミどころ満載…(苦笑



    ●設置
     定員4名の小さいエレベーターに設置。ネジでシッカリ固定。




    設置前
    設置後

     操作パネルの幅に合うように設計したので見た目もスッキリ。うん、メーカー純正オプションみたいでいいですね。


    コンパクトなので圧迫感も無し。

     ちなみにエレベーターのカゴ内サイズはW790×D1100×H2000mm。165cmの人間が乗ったらこんな感じ。


    狭いです。

     こんなスペースに30cm級の壁掛け扇風機なんて設置したら邪魔くさくて仕方ありません。

     なお、本機は風域と風量が小さいので大きいエレベーターでは力不足。大型タイプには12cm角DCファンのデュアル仕様にするといいかもしれません。


    ・仕様
    ・電 源:DC12V
    ・定格電流:1.0A
    ・消費電力:12W
    ・質 量:971g(電池含む)
    ・寸 法:H172×W171×D82mm

    ・材料
    ・80mm角DCファン ×2
    ファンガード ×2
    単三電池ボックス(4本) ×2
    焦電型赤外線センサユニット
    ・スライドスイッチ
    ・MDFボード
    ・各種アルミ材
    ・アルミ複合板
    ・透明アクリル板(1.5mm厚)
    ・各種ネジ
    ・超強力マグネット

    ・スプレー缶(ホワイト、シルバー、クリア)
    ・ニス ワシン 水性ニス(クリア)
    ・ワックス リンレイ
    ・デカール
    ・カッティングシート

    ・使用工具
    ・卓上スライド丸ノコ 日立工機 C6RSHC
    ・卓上ボール盤 レクソン DP2250R 改
    ・小型テーブルソー プロクソン 28070 改
    ・小型テーブルソー プロクソン 28006 改
    ・インパクトドライバ 日立工機 WH14DDL
    ・ドライバドリル 日立工機 DS10DAL
    ・トリマ リョービ TRE-60V
    ・ドライバー #1、#2
    ・スパナ
    ・ワイヤーストリッパー エンジニア PA-06
    ・ハンダこて goot PX-201
    ・ピンバイス
    ・彫刻刀
    ・カッター NTカッター A-300GRP
    ・Pカッター ハセガワ ラインエングレーバー 2
    ・金工ヤスリ
    ・ぺーバーヤスリ
    ・クランプ

    ・接着剤 コニシ ボンド G17 170ml
    ・接着剤 コニシ ボンドウルトラ多用途SU 120ml(箱) クリアー
    ・プリンタ
    ・ラミネーター


    ・総評
     動作良好!ずいぶん前から思っていたことがやっと実現しました。扇風機の性能としては体感的に18cm級の小型扇風機くらいでしょうか。ささやかな性能ながら通気性皆無の閉鎖された空間であればその存在は決して無視することのできないレベル。「快適」…と表現するより「助かる」って感じでしょうか。

     グラフィックデザインはもうちょっと格好良くしたかったかな…。

     9日、東京都心の最高気温37.1度。こんな小型扇風機でもあるとホント「助かるぅ〜」って実感。ナカナカ良い。

     10月5日、扇風機取り外し。今季の利用終了。

     小型扇風機は数あれど、人感センサーを搭載した電池駆動式エレベーター用小型扇風機ってほぼ皆無なので結構貴重ではないかと思います。そこで、今回のエレベーター用小型扇風機の受注を承ります。

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  • エレベーター用小型扇風機計画
    2017/06/04 23:21  
     掃除機サイレントボックスも完成したので次なる工作計画を立案。なんかもう、常に何かを作っていないと落ち着かなくなってきた。(笑


     この季節になるといつも扇風機が欲しくなる。場所はエレベーター内。

     エレベーターのカゴの中は風通し皆無なのでかなりつらい。猛暑日に停電や故障などで閉じ込められたら熱中症で死ぬレベル。



     そこでエレベーター用小型扇風機計画!

     実は以前一応作ってはみたのですが、見たくれがすこぶる悪い。


    フロントリア


     こんなものを設置するのはみっともないので、大手メーカー製に匹敵するクオリティのものに作り直すことにしました。

     最大の問題は電源。理想は100V交流電源を利用する形ですが、エレベーター内にコンセントなんてありません。エレベーターは法律で保守点検が義務づけられているのでさすがに電源回りをいじるワケにはいかない。

     簡単な方法は電池駆動ですね。ただ、電池だと持ちが課題になります。1日中動かしていたら半日で電池切れ。コスパ最悪。

     それで人が乗っている間だけ動かせば消費電力は1/20以下に抑えられるハズ。ということで、人感センサーを搭載させることにしました。


    人感センサー

     扇風機は1695mmの高さに設置します。画面上でシミュレーションして最適な角度を割り出す。日本人の平均身長から158〜170cmくらいを想定。


    シミュレーションで下向き30°に設定。

     パーツが揃ったので設計に取りかかる。

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